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短いホームルームが終わり、あたしは竜季に会うために隣のクラスへと足を運んだ。


開けっぱなしのドアの前で中を見ると、竜季の席のまわりに女の子たちが集まってきている。


その光景に、一瞬胸がチクッと痛む。


中学時代にも同じ光景を何度も見てきた。


きっと、高校に入学しても竜季の人気は衰えないだろうと思っていたんだ。


あたしはスッと息を吸い込んで背筋を伸ばし、教室の中へと足を踏み入れた。


まっすぐに竜季の机に向かう。


「あ、ツムギ」


竜季はすぐにあたしに気が付き、笑顔を浮かべる。


その笑顔にホッとするあたし。