少し恥ずかしいと感じたけれど、このまま入れないままだと困る。


すると数分後、玄関のカギを開ける音が聞こえた。


やっと誰かが気がついてくれた!


そう思ってホッとしたのもつかの間。


そのドアを開けてくれたのは昨日部屋まで案内してくれた、怖い雰囲気の先生で、あたしは一瞬にして固まってしまった。


伊達充城(ダテ ミツキ)と書かれた先生のネームプレートが太陽の光でキラキラと光る。


「あ……の……」


あたしが固まってしまっているのを見かねて、竜季が隣にやってきた。


「すみません。少し遅れてしまいました」