「やめろ……やめてくれ……」


伊達先生はその場に尻餅をつき、懇願するように頭を下げる。


「あたし……ずっと待っていたんだよ……。


充城がまたあたしを掘り返しに来るのをね!!」


瞬間、通路内にブワッと強い風がふいた。


あたしは飛ばされないように竜季にしがみつき、腕で顔をガードする。


強い風の隙間から心花さんが伊達先生に近づいていくのが見えた。


助けなきゃ……!


そう思っても、あたしと竜季に吹き付ける風はそれを阻止しようとしているように強くなる。


「伊達先生……!!」


あたしは大声で先生の名前を呼んだ。


まるでそれを合図にしたように心花さんは口をと目を大きく開く。


その瞬間、心花さんの髪はまるで生き物のように伊達先生の首へと巻きついたのだ。


「やめて……やめて心花さん!!」