「綺麗……」


あたしは彼女の姿に思わずそう呟いていた。


その言葉が伝わったのか彼女は嬉しそうにほほ笑む。


そして……。


「やっと会えたね、充城(ミツキ)」


先生へ向けてそう言ったのだ。


充城って……たしか先生の名前……だよね?


『伊達充城(ミツキ)先生、45歳。まだ独身なんだって。寮の先輩たちから教えてもらったの』


いろはちゃんが最初の頃そう教えてくれたことを思い出す。


ゆっくりゆっくり伊達先生に近づいていく彼女。


伊達先生はじりじりと後ずさりをする。


「ツムギどういうことだよ、相手の彼氏って伊達先生のことだったのか?」


竜季にそう言われてもあたしにだってわからない。