「最期に竜季の彼女として死ねるなら……あたし辛くない」


「ふざけんな!……死ぬなよ。ツムギ、お前は絶対に死ぬなよ!!」


竜季があたしの体を抱きしめる。


たとえその行為がこの場だけの勢いだとしても、あたしはそれが嬉しかった。


それだけで十分だった。


「ありがとう、竜季……。わがまま聞いてもらってごめんね」


これであたしが死ねば、竜季は1人になってしまうかもしれない。


その考えが一瞬浮かんだけれど、あたしはすぐに打ち消した。


ううん、大丈夫。


竜季ならきっと上手にやっていける。


だって、あたしが好きになった人だもん。


そしてあたしは笑顔を浮かべ、竜季の手を握りしめた。


「行こう? あたしの彼氏君」