「そうやって別れさせておいて、また自分が付き合う気でしょ!?」


「なに言ってるの! そんなことするハズないじゃない!」


「嘘! あたし知ってるんだからね、ツムギちゃんが竜季君をまだ好きな事」


そう言われ、あたしは言葉を詰まらせた。


確かにそれはいろはちゃんの言うとおり事実だ。


だけど、そのために別れてほしいと思ってなんかいない。


竜季だけじゃない、あたしはもう寮生とは絶対に付き合わないと決めたんだから。


「だけどいろはちゃん、お風呂でなにか感じるんでしょう?」


あたしがそう聞くと、いろはちゃんはさっきまで吊り上げていた目に、途端に恐怖を滲ませた。


きつく布団を掴み、ブンブンと左右に首をふる。


「なにも……ないよ……」