恋愛禁止（ホラー）

あたしはその蒼白顔にハッと息を飲む。


目の下には真っ黒なクマができていて、一気に老けこんでしまったように見えた。


「いろは……ちゃん？」


「寒いの……」


「え？」


「お風呂場がね、すごく……寒いの」


その言葉にあたしはゾクリと寒気が走った。


今、いろはちゃんにあたしと全く同じことが起きているんだ。


放っておけばお風呂の中に引きずりこまれるかもしれない。


「いろはちゃん、竜季と別れた方がいいよ」


そっと、そう声をかける。


するといろはちゃんはバッと上半身を起こしあたしを睨みつけてきたのだ。