恋愛禁止(ホラー)

「ツムギちゃんどうしたの!?」


悲鳴に驚いたいろはちゃんはベッドから出てきて、タオルに絡みつく髪の毛に絶句した。


あたしは後ずさりし、背中に壁を感じるとその場に立ち止まった。


そして恐る恐る自分の頭に触れる。


するとそこから自分のものではない長い髪が指に絡みつき、ひと束床に落下して行った。


あたしは悲鳴を喉の奥に張り付かせ、必死で自分の髪をとく。


次々と絡んで出てくる、長い髪。


「ツムギちゃん……!」


青い顔をしたいろはちゃんが駆け寄ってきて、あたしの手に絡む髪を必死で振りほどいた。


「あ……あ……」


あたしは小さく声をあげ、ずるずるとその場にしゃがみ込む。


「大丈夫、大丈夫だから。ツムギちゃん、しっかりして!」


いろはちゃんの声が、どこか遠くから聞こえてくるようだった……。