「先生、なにか知っているんですか?」


あたしは恐怖心を抑え込み冷静な口調でそう聞いた。


すると先生はあたしを睨みつけ、「俺はなにも知らない!」と、唾を飛ばしながら怒鳴る。


しかしその顔は今だ青ざめたままで、まるで何かに怯えているように挙動不審だ。


「嘘をつかないでください! そんな反応をしたのは伊達先生だけですよ!?」


あたしがそう言うと、伊達先生はギリギリと歯を食いしばる。


「うるさい!! お前たちは寮から出ていけ!!」


そう怒鳴ったかと思うと、伊達先生は持っていたごみ袋の袋をあたしたちへ向けて投げつけた。


中のゴミがそこら中へ散乱し、土くさい匂いが鼻を刺激する。


「ツムギ、これ以上は無理だ。行こう」


竜季があたしの手を掴む。