「俺は別にいいんだよ。男だから遠くても心配かけることなく通学できるんだから」


「だめっ!」


あたしは、咄嗟に竜季の腕を掴んでいた。


「ツムギ?」


「この前だって竜季1人が悪者になったじゃない! だから、今回はあたしも一緒に行く!」


元々これはあたしの問題なんだから、あたしが逃げてちゃいけない。


竜季ばかりに頼っていてはいけない。


そう思い、あたしは竜季をジッと見つめた。


しばらく悩んでいた竜季だけれど、あたしが腕を掴む力を緩めないとわかると、観念したように息を吐き出した。


「わかったよ。一緒に行こう」


その言葉に、あたしは小さく頷いた。