あたしはゆっくりと顔をあげていろはちゃんを見た。


いろはちゃんは真剣な表情で、だけど少し寂しそうに眉を下げている。


「あたしね……あの呪いの噂は本物だと思うんだ……」


あたしは、ゆっくりと口を開いた。


「え……?」


「見えたの……さっき」


「見えたって……なにが?」


いろはちゃんの顔色がほんの少し悪くなる。


それでもあたしは言葉を続けた。


「女の人」


「女の人……?」


聞き返しながらも、サッと青ざめるいろはちゃん。