女の口が、開く。


ゆっくりと、大きく。


その口からのぞく、無数のうじ虫。


ざわざわ……ざわざわ……。


すぐ耳元で虫が這う音が聞こえる。


固まっていた体に恐怖と旋律がかけめぐる。


「キャァァァァ!!」


ようやく喉の奥から解放された悲鳴が、浴室中に響き渡ったのだった。