しかし藤原先生はボリボリと頭をかき「さぁ……聞いたことないなぁ」と、首をかしげる。


その様子はとても嘘をついているようには見えない。


「どうする? 俺のクラスの担任にも聞いてみるか?」


竜季のクラスの担任も男性の先生で、藤原先生と同年代だ。


若い先生でこの学校に来たばかりだから、なにか情報が得られるという期待はできない。


「ううん。やめとく」


あたしはそう言い、藤原先生にお礼を言ってから職員室を後にしたのだった。