「あ、P11のここです…」

「これは、さっきやった問題の応用。」

応用とか一番わからない。

僕がはてなマークを頭の上に付けていると

先生は困った顔をする。

僕はなんでこんなに出来ないのだろう。

自分の学力に腹が立つ。

先生ごめんないさい。

「えーっと、ここをそのまま代入すれば…」

僕の頭の上にはまだはてなマークが付いている。

先生もかなり困った顔。

「じゃあ、この問題分かるか?」

先生はプリントの裏に問題を書いてくれる。

でも、この問題って…

「先生、僕をバカにしてるんですか?」

この問題の基礎の基礎の問題だ。

先生は少し笑う。

この顔も僕は好きだ。

「これは、___ですよね?」

「正解。」

「桜野、今日はもう遅いし、終わろう。送るよ。」

時計を見て驚いた。

7時30分を過ぎている。

外も真っ暗だ。

先生に送ってもらえるなんて

ドキドキしてしまう。

「お願いします。」