4.出 発

 アノイ星から戻った夕とダイジュは、航宙艇を降りたあとカフェテリアに入りのどを潤していた。そこへ二人を待っていたエツミが近づいてきた。

「夕さん、お帰りなさい。ダイジュから連絡があったけど、大変な目にあったんですって?」

 「はい、でも、だいじょうぶです」

「よかったわ。怪我も無さそうだし。あれ?猫ちゃんは?」

 「それがー、またどこかに消えちゃってー」

「不思議な猫ね。まるで、あなたを守っているみたい」

「ええ、でも、急に居なくなったりして、心配ばかりかけているんです」

夕は口を尖らせてエツミに言った。ナオっちはいったい何処で遊んでいるのやら。

「もしかすると、ナオっちはプランテイションタワーで遊んでいるかもしれないわね。あそこにはナオっちのお友達もたくさん居るから」

「はー。そんな所があるんですか?」

「ええ、また次の機会にダイジュに案内してもらいましょ。ダイジュ又お願いね」

「はい、わかりました。それでは私はこれで失礼します。夕さん、またお会いしましょう」

ダイジュの透きとおった目で見つめられた夕は、ちょっと切なさを感じながらも、

「ありがとう、ダイジュさん。またお願いします」

と言って別れた。