「…周りが勝手に言ってる事だ。

仕事が済んだんなら、さっさと帰れよ」

そう言った宮本部長は、自分のデスクに戻るなり、

さっきのメールを確認すると、パソコンの電源を落とし、

鞄を持ったかと思えば、サッサとオフィスを出ていった。


・・・まだ、隆盛の仕事が残ってるのよ。

心の中でボヤく。


…再び、パソコンを立ち上げ、仕事を始める。

・・・結局、仕事が終わったのは、9時を少し回ったところだった。


パソコンの電源を落とし、出来た書類を隆盛のデスクの上に置く。

そして、やっと帰れる。


「今日子、まだいたのか?!」

「?!」

突然の男の声。

・・・またしても驚く羽目に。


「もぅ!驚かせないでよ」

私の前にやってきたのは、私を置いて、サッサと接待に向かったはずの隆盛だ。


「悪い、途中で抜けようと思ったんだけど、

なかなか抜けられなくて・・・

急いで、帰って来てみれば、やっぱりいた・・・」