「坂口さん、見た目も変わったけど、

中身も変わった」


「…どこが?」


「冗談言うんですね」

「・・・」


普段、確かに私は冗談は言わない。

仕事に、冗談とか、何でもない話って必要ないと思ってる人だから。


「やっぱりそっちの方がいいわ」

隆盛は喜んでいる。


「坂口さんて、実は美人さんだったんですね。

メガネこの際だから、止めればいいのに」


「…うるさいよ、2人とも」

私は溜息をつき、自分のデスクに座った。

そして、何事もなかったように、仕事を始める。



・・・が。



凄い沢山の視線を感じ、

仕事が捗らない。

イラッとして、振り返ると、皆が、

また違う方向を見ていた。

細めれば、なんとなくは見えるんだからね。