家まで送ってくれた部長は、ホテルに帰ろうとするが、

私はそれを咄嗟に止めた。


「待って、部長」

「・・・ん?どうした?」

…分かってるくせにそう問いかける部長に、視線を合わせる事も出来ない。

・・・だって、部長は私の反応を楽しんで老いるように見えるから。


「明日、帰っちゃうんでしょう?」

「…だから?」


「…意地悪」

私の言葉に部長はフッと笑った。


「今日子はどうしてほしい?」

「・・・そ、傍に、いて、ほしい、です」

これを言わるころには、顔は真っ赤になっていた。



「…誰と?」

「・・・もぅ」


「ちゃんと言わなきゃわからないだろう?」

「…部長、とです」


「部長って誰?…もう、お前の上司じゃないんだけどな」

そう言って、意地悪な笑みを浮かべる。