と、とりあえず一回落ち着いて。
ここだとお風呂から上がった流とすぐに会っちゃう危険があるし、一度流の部屋に行こう、かな。
念のためテレビとリビングの部屋の電気は消しておく。
こうすればあたしがここにはいないって分かるよね。
階段を上がって流の部屋に入る。
「ふぅ……」
深呼吸、深呼吸……
ぽふん、とベッドに腰をかける。
「…………」
お、落ち着こうと思ってここにきたけど、逆に緊張しちゃうかも。
なんていうか……
流に近い、というか……流がいないのにいるような気がしてしまうというか……
う、うまく説明はできないけど。
そっとベッドに体を倒す。
視界が横になって、いつも見ている部屋が横になった。
…………あ、
「流の、匂いがする……」
しばらくそうしていると不思議なぐらい心が落ち着いていった。
心臓はドキドキだけど。
でも、流のベッドに寝ていると流にぎゅってされてるみたいで嬉しい。
……って、あたし変態みたいじゃない!?
「また顔が熱くなってきちゃった……」
何か、飲み物でも持って来ようかな。
ベッドから下りて、ドアノブに手をおこうとすると自然とガチャリと扉が開いた。
え?なんで……って、
「きゃあ!!」
「あっ、え……萌っ?」
あたしは何かにつまずいて思いっきり前に倒れ込んだ。
反射的にぎゅっと目をつぶったけど、予想に反して感じたのは温かいぬくもり。
……ぬくもり?
パチッと目を開ける。
目の前には、流がいた。
でも…でも………っ!
「な、ながれ……!」
「あ、萌、大丈夫?」
怪我してない?と聞かれるけどそれに答えられるほど余裕がなくて。
だだだ、だって……!!
「なんで、服着てないのぉ……っ」
目の前の流は、上半身に何も着ていなかったんだもん。


