「は、ぁ……なが、れ…?」
乱れた息を整えて流を見る。
視界がぼんやり滲んで見えるけど、流の顔がほんのり赤いように見えた。
「あぁー……それは反則だよ、萌」
「……へ?」
反則……?
何が……?
意味が分からずに微かに疑問を浮かべるあたし。
「ま、それが萌だもんね」
「……?」
と、とりあえず……どういうこと?
あたしには分からないけど、流は流なりに何か納得したみたい……?
「もーえ、」
「は、はい」
なんでしょう、と言うと流はちょっと上目使いであたしを見てくる。
うぅ……見慣れないから心臓の音がうるさいよぉっ!
「もっと、萌の口から名前聞かせて?」
「へ?えと……?」
よ、呼べばいいの……?
早く、とどこか楽しそうに言う流に、疑問に思いながら口を開く。
「流……?」
「もっと」
「な、流…」
「もっと」
ま、まだ言うのっ!?
ちょっと恥ずかしいなぁ。
でも……
流を見ると、嬉しそうに頬を緩めてあたしの髪をその指に絡めて遊んでいる。
うぅ……やっぱり、流の嬉しそうな顔、好きだなぁ。
「…流…だいすき……っ」
ピクリ、と流の指が動いた。
その顔もなんだか驚いたように固まっていて。
「流……?」
「……ん、」
あ、よかった。反応が返ってきた。
でも、どうしてそんなに悩ましげなのかな。
「萌は……」
「うん?」
首を傾げると、あたしの長い髪が肩から少しこぼれ落ちた。
「流?」
「はぁ……萌はもっと自覚した方がいい」
「?自覚?」
なんの自覚?
きょとん、と見つめ返すと流の顔が近づいてきて。
気づいたらあたしの体はベッドに沈んでいた。


