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「ケーキの準備もプレゼントも持ったし……」
忘れ物してない、よね?
あとは自分の用意だけ、なんだけど……
「やっぱり、これ着ないとダメかな…」
昨日ゆっちゃんと峰くんが買ってくれた服とにらめっこをする。
かわいい、けど……似合うかどうかの自信もないし……
二人はかわいいって言ってくれたけど……
うーん、と悩んでいるといきなりバタンッ、と部屋のドアが開いた。
「はぁ……やっぱり、まだ迷ってたわね」
「ゆっちゃん!え、どうして……」
「萌をかわいくしに来たの。ほら、早く着替えて!」
「は、はいっ」
あたふたと着替えてゆっちゃんの前に座らされる。
「じゃ、行くわよ」
「お、お願いします?」
よく分からないままにゆっちゃんにされるがままにされて約三十分後。
「はい、終わり!」
「わぁ…ゆっちゃん、すごいね」
「ふふ、当たり前でしょ」
普段はしないメイクや髪型をしている鏡に映った自分は、いつもより少し大人っぽく見える。
「ゆっちゃん、ありがとう」
「どういたしまして」
にこりとあたしとゆっちゃんは笑いあう。
「その上、何か着ていくの?」
「うん。さすがに恥ずかしいし、カーディガン羽織ってこうかなって」
「ふふ、準備万端ね」
「そ、そんなこと……」
ない、とは言えない……
「萌、時間大丈夫なの?」
「へ?……あぁ!!」
じ、時間!!
急がないと!!
「じゃ、萌。これ霧谷に渡しておいてね」
「え、これ?」
「そ。あたしからのプレゼントだって言って」
「う、ん…分かったよ」
ゆっちゃんから渡されたのは白い封筒。
……何が入ってるんだろう。


