ガタンゴトン...
学校に向かう、揺れる電車のなかで、
ギャルたちの声が聞こえる。

「ねーこれ見て。可愛くなぁい?」
「ほんとだぁ。それいいね~」

うるさいな。
静かにしてくれないかなぁ?

ニキビを隠すかのようなメイクしてて、
スカートはすごく短くしてるし。
足太いんだから見せないほうが
いいと思うんだけど?

思ってても言わないけどね。
バカにはなに言っても理解できないだろうし。
見てると同情しそうだわ(笑)
誰にも相手されないのかな?
ドンマイだね。

男子も男子だよ。
こんな女に騙されてくんだからねー。
逆もあるけど。


目的の駅に着いたらすぐに降りた。
すぅっと空気を吸う。
電車のなかは香水臭かったからな~。


持っていたケータイが落ちた。
やばっ!

ここの駅はたくさんの人が
使ってるから、物落としたら、
ふ、踏まれちゃうー汗


「す、すいません、通してくださいっ!」

私は人混みのなかでケータイを探す。
でも、人が多いせいで、
どこにあるかわかんないよー(泣)

ど、どうしようっっ!
このままじゃ一生見つかんない。

キラッと何かが反射した。
その場所をじっと見てると、
私のケータイだ!!

反射したのはストラップだった。


人混みを掻き分けて急ぐ。
その時、落ちていた場所からケータイが
無くなった。

え?
な、く、な、っ、た、?
う、嘘でしょ??

私は焦る。
どうしよう。

1.あきらめる
2.探す
3.放課後もう一度探す
4.大きな声出して聞く

1は嫌だし、2は時間がな~。
3はいいけど見つかるかな?
となると、4?
でも、恥ずかしいなぁ。
あぁもう!
考えてる暇ない!!
4でいこう。

「すいまー「おい」

へ?







誰?この男の子.....
身長は高くて、ほどよい筋肉もある。
そして、顔は申し分ないくらいに
整ってる。


かっこいー。