プリンセス×プリンス~anotherstory~





「私、本当はこんなヤンキー校に入りたくなかったんですよー。
でも、私馬鹿なんで、ここしか入れないって言われちゃって。

いやでも吃驚だなぁー。
まさか初対面の人に当てられるとは。

私、顔に馬鹿って書いてあります―?」




 ・・・前向きだなぁ。




 純粋で、真っ直ぐすぎる。




「・・・ははっ・・・あはは・・・あはははは!
なにそれ!ははっ・・・はははは!」




 いつの間にか千海も笑顔になっていた。




「あ、笑ったぁ!馬鹿にしてるぅ!酷いなぁ!」



 三つ編みを揺らしながら、その子も笑う。




「千海だよ。新田千海。1年生」



「ちうちゃん?じゃあ、ちーちゃんだね!」




「ちーちゃんかぁ。言われたことなかったな。花鈴ちゃんは何て呼ばれているの?」




「私は・・・。花鈴で良いよ。花鈴が良いの、ちーちゃん」




「花鈴ね。花鈴、よろしく」