「何ぼんやりしているんですの? 早く行かないと遅刻になりますわよ」 「あ、あぁ・・・」 俺は制服に着替え、弁当を持ち、家を出た。 徒歩で10分ぐらいのところに建っているので、毎朝歩きで通っている。 「どこ行くんですの?」 「どこって・・・。学校だけど」 俺は真面目に学校へ通う、いわば優等生だ。 遅刻はしない。 早退は仕方なくやり、欠席もコンサートが被っていなければしない。 だから今日もいつも通り向かうはずだった。 「どうやって行くんですの?」 「どうやってって・・・歩きだけど?」