プリンセス×プリンス~anotherstory~





「何でもないわ。ところで、そちらは南さんの娘さんかしら?」




「え?え、えぇそうですよ。僕の娘です。名を香央(かお)といいます。
ほら香央、自己紹介しなさい」





 このおじさん、絶対あの人の話聞いてなかっただろ。





「・・・南香央です」




「本当にこの子は・・・。すみませんね東堂さん、君太くん。
この子は家内に似て、大人しい部分があるのです。

折角家内に似て可愛らしいところがあるのに、これですから
今まで彼氏はいたことないんですよ。

親として困っちゃいますね」




 おじさん、今さりげなく奥さんと娘自慢したよな。




 家内馬鹿っていうか親馬鹿っていうか。






「まぁそうなんですか。
実は君太も彼女がいませんの。

君太の兄も彼女が長いこといなかったのですが、
この間ようやく彼女を作りましてね。

君太も兄を見習って彼女を作ってもらいたいですね」





 兄?それって朝太お兄様の方?




 へぇ・・・息子って認めているんだ。