「遅かったわね、君太」
エレベーターを出ると、すぐにあの女がいた。
怖!
幽霊みたいだよ?
しかも、いきなり嫌味かよ。
性格わりぃなぁ。
「申し訳ありません、お母様。着替えに手間取ってしまって」
「あらそうなの?いつものあなたなら、すぐに決められるのに。
・・・まぁ良いわ。下がってちょうだい」
偉い人はあの人に頭を下げ、エレベーターに乗り込み、行ってしまった。
「南さんは相当あなたを待ってくれたのよ。
まず最初に遅くなったことに謝ること。良いわね?」
え!この俺が他人に頭下げるのか!?
ざけんじゃねぇよ!
なんで俺がへこへこ頭下げるんだよ。


