「最上階で、南(みなみ)様がお待ちですから」
「南様?」
誰だ、それ。
「今日ぼっちゃまがお会いになる方でございます。
南コーポレーションの令嬢とぼっちゃまが今日お会いになるとわたくし共は聞いておりますが」
「僕、お母様からここに来るよう言われているだけなんです。
だから、誰と会うのかは知らなくて」
あの女・・・!
勝手に物事を進めやがって!
「そうなんですか。先ほどわたくしたちもお会いしましたが、
大人しそうで清楚そうなお嬢様でしたよ」
「そうなんですか・・・」
ま、チャラいよりは良いかな。
俺と偉そうな人はエレベーターに再び乗り込み、最上階である20階で降りた。


