「君太は良いよなぁ。可愛子(かわいこ)ちゃんの注目の的でよぉ。
俺にもそのラブパワー分けろよー」
「僕は何もしていないよ?だから、煌(こう)に分けるものなんてないよ?」
この可愛子ちゃんとか、ラブパワーとか、アホなことを言っているのは、
自称“俺の大親友”
坂下(さかした)煌。
発言でわかると思うが、かなりのチャラ男。
明るい地毛の茶髪に、崩した制服、
派手な髑髏(ドクロ)のネックレスとピアス。
最下位すれすれの成績。
何でこんな進学校に入れたか、疑いたくなる奴。
「何も持ってねぇとか嘘だろ。何か俺に隠しているな?」
「何も隠していないよ?僕はいつも通りだよ?」
ククッ。騙されてやんの。


