「勝手に俺の番号を聞くな。近藤さんに言う前に、俺に許可をとれ」
『本当はそんな命令口調何ですか?』
「あぁ、そうだよ?このことはほんの一部の人間しか知らねぇよ。
だから、お前も言うなよ?」
『どうしてですか?別に言っても良いと思いますけど』
「お前さ、俺が何て呼ばれているか知っているか?」
『アイドル界のプリンスですよね?』
「あぁ。俺がそう呼ばれるまでにどれだけ努力を重ねたと思っている。
その名前を維持するのに、裏表は必要なんだよ。
軽々しく言っても良いなんて言うな」
『疲れないんですか?』
「疲れていたら、アイドルなんてやっていられねぇよ?」
『良かったです。あたし、本当はアイドルになろうとしたんです。
でも、歌が下手だから、諦めてマネージャーになろうとしたんです。
アイドルにならなくて良かったです』
「勘違いするな。確かにアイドルは大変だ。
だが、大変なことばかりじゃねぇよ。
楽しいことも勿論ある。
決めつけた言い方するんじゃねぇよ」


