わたしが選んだ人・・・ね。
俺に拒否権はねぇのか。
「わかりました。どのような人なのですか?」
「朝太が通っていた、高校のお嬢さんらしいわ。
わたしとお父様の学生時代の知り合いの娘さんなの。
お家は小さな会社をやっているから、東堂の名が落ちることもないわ。
そこそこ可愛らしい容姿をしているんだけど、かなり大人しくて無口だから、
彼氏はいないそうよ」
大人しくて無口ねぇ・・・。
「明日、ちゃんと行くのよ?
いつまでもあなたに彼女がいないのは困るからね」
「・・・わかりました。5時に東堂ホテルですよね」
「ええ。遅刻しないように」
「はい」
「もう行っていいわよ」
「わかりました。では、失礼しました」
一礼をして、部屋を出て行く。


