プリンセス×プリンス~anotherstory~






「・・・君太くんに、1つ忠告しておきます。
この世の中には、知らない方が良いという事実があるということを」




「余計な忠告どうも。安心しな、俺はもう知っているから。
この家にいれば、知りたくない事実も知っちまうんだよ」




「そうですか。まぁその通りですね。でもそれが君太くんの運命(さだめ)です。
父親として君太くんに言えることはそれぐらいです」




「へぇ。今頃父親面か。もっと早く言ってほしかったな」




「・・・これ以上話していると朝になってしまいそうです。
これぐらいで立ち話は終わりにしましょうか。

最後に僕から君太くんに、質問をしてから」





「なんだよ」




「朝太(あすた)くんは元気ですか?
会うことがないので、安否が確認できないんですよ」





「元気だよ。まぁ見たいなら、お兄様が表紙を務めている雑誌でも買えばいいじゃねぇか」





「それもそうですね。ありがとうございます。
では、僕はこれで。
なにかあったら、気軽に僕のところに来てくださいね?
それは君太くんだけでなく、朝太くんにも共通ですけどね」





 にこっと笑ったお父様は、エスカレーターを降りて行った。