そう言ったその人が胸ポケットから出したのは、ボイスレコーダー。
「・・・ッ!」
「良いですか君太くん。僕が本気になれば、君をトップアイドルという地位から落とすことが出来るんですよ?」
「・・・汚ねぇ手だな」
「しょうがないんですよ。こうでもしないと、この巨大グループを守るのが大変ですからね」
「・・・あんたがこういう汚ねぇ手を考え付いたとは思わねぇな。
全部、あの人が決めたことか?」
「あの人とは誰ですか?」
「・・・お母様のことだよ」
「・・・さぁ。そこは君太くんの想像にお任せしますよ?」
「はぐらかすっていうことは、その通りなんだな?」
「ご想像にお任せします、と僕は言ったのですが?」
「あんたがはぐらかすというのは考えられねぇよ。
裏でお母様に操作されているといえば、納得がいく」


