「さすが近藤さん。俺のこと、よくわかってんな。
煌もそうだけど、学校の馬鹿共は俺に裏があるなんて、気が付いていねぇと思うほど、
ノーテンキな奴ばっかなんだぜ?毎日めんどくせぇよ」
「しょうがないよ。人は顔だけで判断するからね。
中身なんて、誰も気にしていないよ。
中身を知った途端、離れていく奴もいる。
アイドルだってそうでしょう?
勝手に性格を作っていって、逮捕とか道を外れたりすると、
すぐに捨てて、新しい人を好きになる。
それをどうかわしていくかが、人気になる秘密だと思うよ」
「俺は道なんて外さないね」
「その自信、忘れないでよ?」
「当たりめぇだ」
「さすが君太」
ふっと笑った近藤さんは、愛用している皮の手帳を取り出した。
「そうだ。君太に伝えていなかったね。
今日から『CHANGE』に、マネージャーがつくことになったよ」
「は?近藤さん、やめるのか?」
「やめないよ。正確に言えば、マネージャーの卵が研修に来るんだ」
「研修?」
そんなのがあるのか?


