「・・・ハハッ・・・何だよこの顔・・・。
だっせぇ・・・。馬鹿かよ・・・」




 鏡に映った俺の頬には。




 ・・・涙が伝っていた。




「・・・哀しいはずなんてねぇのにな。
馬鹿じゃねぇの?何泣いてんだよ。
自分でさっき決めたじゃねぇかよ!!」



 俺は鏡を殴った。



 鏡は簡単に割れ、手から血が流れる。




「だ、大丈夫ですか君太様!!」



 鏡が割れる音を聞いた執事が慌てて部屋を出て行く。







 こんなの、痛くもかゆくもねぇよ。



「・・・ッ」




 叶わねぇって、知っていたじゃねぇかよ・・・。




 何でこんなに辛いんだよっ・・・!







 俺はそのまま、意識を手放した。