「そんなに謝らなくて良いよ。
・・・ところで、どうしてそんなに真っ赤なの?

熟したトマトみたいだよ」




「だ・・・だ、大丈夫でぇ~す・・・」




 熟したトマト、か。




 新田・トマト・千海って改名しようかな?





 よく千海、赤くなるとトマトみたいって言われるから。





「じゃ、行こうか」




 真剣に考え込む千海を無視した近藤さんは、車を指さし言った。






「え?梶原さんの楽屋に行かなくて良いんですか?」




 いつも必ず行くよう近藤さんに言われているはずなのに。






「ん?あぁ、君太くんやめたからね。もう行く必要はなくなったんだ」