その日の夜2時ごろ。



 ま、正確に言えば次の日だけどね。





 花鈴から電話が来た。




『南香央のこと、調べました~。
校長先生が知っていたの~』




 花鈴は校長から勉強を教わっているので、電話番号やメアドを交換する仲だ。




『南さん、津川彩さんの仲の良い友達のうちの1人で、幼馴染なんだって。

彩さんは昔、あまりにも自己中心的な性格や女王様みたいな行動をするから、一時期南さん以外に友達がいなかったんだって。

でも南さんは君太くんと同じ中学生で、同じ学校には行けないの。
また1人になることを恐れた彩さんを心配した南さんは、お父さんに頼んで彩さんが卒業するまで同じ高校に通わせてほしいって頼んだみたい。


南さんは頭良いし、高校レベルの勉強が出来たから、お父さんは入学をオッケーしたみたいだよぉ。


でも結局彩さんは退学になって、南さんが高校にいる必要はなくなったから、彩さんと同じく退学したらしいよ』




「・・・大人しそうなフリをして、かなり我が儘娘ね」




『それ、私も思った―!』




 電話から、花鈴の笑い声がする。