「・・・・・・・。あ・・・・」




 ようやく思考が動き始め、何か言おうとした時。




「あ、君太くん?」




 あの声が聞こえた。




「・・・!?」




 事務所の外にいたアイツが、小走りでやってくる。




「君太くん!どうしてこんなところにいるの?」




 腕に絡みつく、南香央。




「香央さん・・・」




「どうしたの?」




「・・・何でもないよ、帰ろう。送るよ」




 ニコッと俺は、機械的に笑う。