「そうなのか?俺はてっきり君太の性格とか行動に文句があって俺を呼んだかと思ったんだ」
「私も私も―。君太くんのあの性格には困るもん」
「花鈴は口をはさむな。・・・で、今日は何の用?」
花鈴を窘めると、朝太さんは千海に視線を向けた。
「はい。あの、君太くんさっきー・・・」
千海はさっきあったことを話した。
呂律がまわっていなかったこと。
目が濁っていたこと。
千海が話を進めて行くにつれ、2人の表情がどんどん曇っていく。
「・・・悪かったな。説明するの忘れてた」
桜田芸能事務所で働く事務さんの作ったアイスコーヒーを一口飲んだ朝太さんは、
千海を見た。
「あいつさ、たまにああなるんだよ。発作みたいなモンかな」