千海は、寝ている君太くんに、仮眠用として置かれているらしい薄いタオルを出し、かけてあげた。




 そして、携帯電話を使って、ある人に電話をかけた―――・・・。










「ごめんなさい、いきなり呼び出して。
今日オフって聞いていたから・・・」



「気にしないで良いよ。俺も頼み事しているわけだし」



「そうだよちーちゃん。気ぃ遣わなくて良いよ。
暇していたから」




 桜田芸能事務所内にある、喫茶スペース。



 そこに千海は、今日オフだと言っていた親友と、その彼氏に来てもらった。






「で?俺に何の用?」



「あの、君太くんについてなんですが・・・」



「君太について?あいつはかなり自己中心的で我が儘だから苦労するだろうな」




「あ、いえ。苦労はしてません。
性格上確かに問題はありますけど、今日はそれを聞くためにお呼びしたんじゃないんで」