赤信号の横断歩道。

 立ち止まって。


 信号待ちのあいだ。

 隣りの流川の顔を見上げてみる。


 後ろからだと、気づかなかったけど。


 
 ぷか~~~…


 
 流川は何度もあくびを繰り返していて。

 眠そうに、目を細めている。


 つないだままの手を動かして、

 Tシャツの背中に入れた流川は。


 
 ぽりぽりぽり…


 
 私の伸びた爪をつかって、背中をかいている。


 

 
 ゛ヽ( ̄△ ̄;)




 
 おいおいおい…


 一瞬びっくりしたけれど。


 ごく自然にやってるその行動に、


「…ふふふ」

 
 頬が、ゆるんでしまう。

 流川自身がぼんやりしてるから、なおさら。



 腕をおろした流川は、

 まだぼんやりしたままで。


「ふぁぁ~ぁぁ…」


 大あくび。


 相当、眠そう。