「ち、違うもん」


「違うって?」


「よ、酔ってるから赤いんだもん」


「なに言い訳してんだよ。俺は赤いって言っただけだぜ?」


「ぐ…」


 
こ、ここは冷静に…



「は、早くしてよね」


「今やってるから」


「ぶ、ぶきっちょ」


「少し黙ってろ」


「早くしろーっ」


「動くなよ」


「もうっ、自分でやるからっ!」


「ピーピー騒ぐな」


 
ダメだ。

 
目の前の男、楽しみ始めてる…



「貸してっ。自分でやるっ」


「あのな…」


「放せーっ」


「黙らないとキスするぞ」


「……き」


「無理やり黙らすぞ」


 
は…こ、コイツ…

 
またからかいやがってっ。



「ま、またそういうことを…」


「本気だぞ」


「ばっ、でっ、できるもんなら…」


「やってやろうか?」


「へ?」


 
流川の手。

 
私の耳元から離れて。


 
…って

 
…つけ終わってたんじゃんっ!