「あなたが一番両親のことを
分かってるのではないですか」
寮母さんはしっかりとした口調で私に釘をさすようだった。
「それは
両親本人に聞いて見なさい」
「………」
もう、何も言えなかった。
「早く教室に戻りなさい。初日から授業サボったらダメでしょう」
「…失礼しました」
聞きたいことがまだまだあったが、美怜は重たい腰を起こして渋々とダイヤ寮を後にした。
「……ふぅ」
美怜が去った『ダイヤ寮』。
一息ついて、新しく入れたコーヒーをすする。
ほんのりと湯気がたっていた。
(あの子感づいてきたわね。
一応、知らせておきましょうか)
受話器を取り、あるところに電話をかける。
───プルルルルル、
──プルルルルル……
───ガチャ
「はい」
声は高い女の人だった。