ラズベリー



白魚を使うことにした時だ。


英理は私に言った。



「もう、なんで美怜何でも出来るのよ。後で必ず詳しく聞くから。覚悟してなよ」



口ぶりは完全に怒っている。


目つきなんて、疑い深い目をしていた。


はぁ


大きなため息が残る。


なんでこうなるかな。


英理はすねちゃってるし、怪しまれてるし。


事情を聞くなんて言い出しちゃったし。


どうしたらいいのよ。


もぉーーーーー!!!



そんなことを悩み、後でどう逃げようかとか、言い訳をどうしようかとか必死で考えた。


でも今までそんな経験が無い私は、その方法をなかなか見つけ出せずにいた。



(もう!
今は料理に専念しよう!)



英理のことも大事だ。


でも麻衣にはもっと負けたくなかった。


とにかく目の前の問題から取り掛かることにした。



(ひとまず作らないと。勝負をして無いのに負けるなんて嫌だ。そうだアレ作ろう)