「これから『山本 美怜』として
頑張りなさい」
「……!?」
「家にも来ちゃだめよ?
これから寮生活だから」
「……!?!?」
「あと、理事長にだけ
本当のことを知らせているわ」
「……!?!?!?」
「美怜がいなくなるのは
本当にさびしいなぁ…」
美怜をほったらかしに、次々と話は勝手に進んでいくばかり。
(…なんだか展開が早くて
ついていけないんだけど)
どこまでも能天気な両親は、放心状態の私の意見なんて完璧に無視だった。
(裏の事情はすでに決まっているのに、本人には全く連絡が無いって…どうゆうことよ!?)
イライラが募ってくる。
「そんなにあっさりと
言わないでよ!」
「あと、もう1つ
大事なことがある」
お父さんの顔には脂汗が浮かんでいた。
「うん」
さすがに、これ以上に酷いことはないだろうと心の奥底から思っていた。

