どうしても頭から離れない彼は思い切ってその彼女を探した。


手ががりは彼の心の中の映像だけ。


そしてやっと見つけた。



声をかけて名前を聞こう。


君のことが知りたいから。



少しずつ距離を縮める。


でも、その時だった。


彼女が着ていた服装は『メイド服』だった。



『そんな……』



そのまま、足を止める。


そして、距離を離していった。



まさか、彼女が『アリス学園』のメイドクラスの女の子だったなんて…。



『そんな、初めて
気になる子がメイドだなんて…』



胸がチクチクする。


棘が奥深くに存在するかのように…。



「あのー、まだ続く?」


「まだ序章なの!」



英理はこっちをにらみ返す。



「ご、ごめん」



そのまま、また話は始まった。