そんなある日の事でした。


彼は庭園にたまたま行きました。


すると、そこでで踊っている女の子がいるではありませんか。


しかもやけに楽しそうに…



『誰だ、あれは・・・』



気になって近づくと彼女はにっこりと笑みをくれました。



『君は一体……』



聞こうとすると、彼女は自分の唇に人さじ指を当て再び笑みを浮かべた。


そのまま彼女は教室の方へ帰って行きました。



彼はそのままその場に立ちすくんでしまいました。


初めての感覚だったから──…。



それからもその彼女のことが頭から離れることはありませんでした。


友人にも最近おかしいと言われるほどでした。


すれ違う度に無意識に彼女を探し、無意識にあの庭園に行き、ベンチで彼女が踊っていた場所を見つめていました。



「ねぇ、それ、
ちょっと怪しい人だね」



美怜が話を遮り、怪訝な顔で聞いてきた。



「そんなこと無いって!
今はまだ黙ってて!!」


「はい…」



そのまま、英理は話を続けた───…。