「はぁ!?
またかよ」
優輝は大きな溜め息をついた。
東宮家の令嬢は、本当は小学生からでも入学すると公表されていた。
他の企業も祭り事かのように騒ぎ立てた。
しかし、その令嬢は一度も公に出ることもなく、どんな人物なのかも公表されなかった。
東宮家の一人娘であり、唯一の跡取りだ。
「高校生になっても、
入学させないなんて
おかしいだろ!」
「そうだな。
病気だって言ってるが、
多分嘘だろうな」
「ああ」
「しかも名前、顔、
両方とも知らないとは……」
「絶対におかしいだろ、
東宮ってところは!!」
「そこまで言うな!!」
「わ、分かってる」
優輝はソファーの上にどっしりと座る。
「分かってると思うが…」
「いつものことだろ?」