ラズベリー



「うっ!
わざとってわけじゃ…」


耳を赤くしながら答えるなんて。


「問答無用です」


「最悪ですね」



そう言って優輝を睨み、一歩近づいた。


そしてためらうことなく、バシッと頬を叩いた。


一瞬、何が起きたのか分からなかった。



「いっ…た……」


「もういいです」



優輝は叩かれた左頬を呆然としながらゆっくりと手を当てた。


頬は少しずつ赤く腫れてきていた。


美怜は優輝をもう一度にらみ、教室を探しに戻ろうとした。



「なぁ…!おいっ!!」



優輝が声をかけても振り向かずに進んでいくだけ。



「教室は右に曲がって
真っ直ぐだからな!!」



優輝はただ大きな声で叫んだ。


美怜はすねながらも振り返って、頭を一応下げてから駆け足で去っていった。