「高校から学園に通いなさい!」
その言葉を聞いた瞬間、何を言ったのか理解する事が出来なかった。
(今、なんて…。本当に!?
夢じゃない?学校に通えるんだ)
嬉しさがフツフツと何かが込み上げられてくるのが分かった。
だが、浮かれていられたのも束の間であった。
「美怜が通う所は貴族の学校、
『アリス学園』」
「……えっ!!
アリス学園って!!」
「そう、貴族ばかりの学校だ。
一緒にメイドクラスも
併合されてある」
「えっ!?」
「そして、
お父さんとお母さんの母校だ」
「その話は何度も聞いてるよ。
耳にタコが出来るくらい」
小さいころからずっと聞かされていた話。
「隆さん[タカシ]と小百合さん[サユリ]が出会った場所でしょ」
お父さんがいきなり余韻に浸ろうとした。
「そうだなぁ。あそこは父さんが
母さんに出会った場所で思い出の…」
「その話はまた後で。
もっと大事な事があるでしょ」
お母さんに無理やり話を遮られて、仕方なくとしょんぼりしながらお父さんが話し始めた。
でも、これが東宮家の日常でもある。