「あら?和輝様までが
手を挙げています。」
(一体、どういうことだ!?
兄貴まで指名するなんて、
何か裏でもあるのか…!?)
「ですが、確か和輝様には
すでに2人の使用人がいたと
思うのですが…?」
その通り。
和輝様には葵と賢斗の2人がいる。
これでは定員オーバーになってしまうのだ。
「先生、少し待ってください。
決まりでは使用人を減らしたら
新しく入れられますよね?」
「…ええ、そうよ。」
「だったら、葵を外します。
ここにある契約書は
破棄します。」
不適な笑みをうっすらと浮かべながら紙をビリビリッと四つに分けて破った。
それを地面に叩き付けた。
「……!!」
横で葵が膝から崩れ落ちた。
「これで美怜は私の
メイドになれますよね?」
「…そ、そうね。美怜さんは
和輝様がご主人様になります。」
みんなが戸惑いを感じた。
でも汚いやり方だが、違法ではない。
そして、誰も逆らえないオーラを和輝は発していた。

